多汗症のわきボトックス
汗をかく時期になると、ワキの臭いが気になってきませんか。とくに汗の量が多いと、汗染みや汗の臭いなどで生活に支障を感じる場面も多く、悩みを抱えている方も少なくありません。脇汗を止める注射で汗と臭いをカットし、気持ちの良い毎日を手に入れましょう。
多汗症とは?
気温が高い時期やスポーツをして体が温まると、私たちの体は汗をかいて体温を下げます。通常よりの汗が多く、頻繁に日常生活で支障を感じてしまう場合には、多汗症の可能性があります。多汗症は、全身の汗が多い「全身性多汗症」と手のひらや頭、わきなど一部分だけ汗が多い「局所性多汗症」の2種類です。
わきの下はとくに汗腺の数が多く、肌と肌が密着して体温が上がりやすいため汗の量が多い部位です。わき汗が多いと汗染みが目立つ色の服が着られなかったり、わきの臭いが気になって周囲とのコミュニケーションの妨げになったりと、生活に支障を感じやすいでしょう。
わき汗が「多い」基準と治療の必要性
カウンセリングでは、汗でどんなことに困っているのか、その頻度についても詳しく尋ね、症状に合わせた治療方法をご提案します。
しかし「脇汗がすごい」といっても、実際には治療が必要ない方もおられます。人によって感じ方はさまざまで、汗が多くても気にならない方もいれば、一般的な量でも生活に困るという方もいるからです。
わき汗の重症度を判定するときによく用いられるのが「HDSSスコア」です。日常生活にどの程度支障があるのかを判定します。
時期によっては汗が気になることがあっても、日常生活には支障がまったくない場合は軽症の「スコア1」です。日常生活にときどき支障がある場合は「スコア2」、頻繁に生活に支障がある場合は「スコア3」です。常に支障を感じる場合は重症の「スコア4」となり、流れ落ちるくらい大量の汗をかきます。
わき汗の治療はボトックス注射
脇汗の治療には、塗り薬や内服薬、マイクロ波の治療や手術、ボトックスなど汗の量を抑える治療がいくつかあります。なかでも「ボトックス注射」は施術時間が5分程度と短時間で、ダウンタイムがなく気軽に汗を抑えられる治療方法として人気です。
ボトックスとは
ボトックスはボツリヌス菌の毒を無害化した製剤です。汗を分泌する際には、アセチルコリンという物質が神経を刺激して汗を出す指令を汗腺に伝えますが、ボトックスによって神経に刺激が伝わりにくくなり汗腺の働きが抑えられて汗の量を減らします。
わきボトックス注射の持続時間
ボトックスは、エクリン腺からの汗を汗腺を取りのぞいたり破壊したりする治療ではないので、8ヶ月もすれば薬の効き目が低下して効果も薄れていきます。
ボトックスの持続時間は薬剤の種類や注射する部位などによって異なりますが、わきは3~9ヶ月程度です。まだ効果が残っているうちに定期的に注入すれば、効果は持続可能です。ワキ汗の量が減ることで、気になる汗の臭いも減らせ夏のにおい対策としても活用できます。
施術の頻度は症状を含めて個人差があるため、医師に次回の施術する時期を相談してみましょう。
わきボトックス製剤の種類
当院のワキボトックスには、高品質のボツリヌス製剤もしくはボツリヌストキシン製剤を用い、両脇に注射します。
ボトックスビスタ
アラガン社の「ボトックスビスタ」は、日本国内をはじめ世界各国で認められていて多くの実績がある安全性の高い製剤です。しわ治療にも用いられており、日本では厚生労働省の認可を受けています。
通常の体格の方で両脇80単位が標準的な投与量となります。人よりも更に汗の多い方や男性等体格の大きい方は100~120単位で治療することもあります。
ボツラックス
ヒューゲル社の「ボツラックス」はボツリヌストキシン製剤で、ボトックスビスタのジェネリック薬品です。美容大国のひとつである韓国で開発製造されていて、比較的安価に治療が受けられます。また、KFDA(韓国食品医薬安全庁)に医薬承認されている実績があります。
症状や汗の量に対して、注入するボトックスの量を決めます。HDSSスコアが1の治療には一般的に両脇で60単位注入します。スコアが2、3なら80単位が注入量の目安ですが、スコアが1でもご希望があれば80単位も可能です。スコア3、4には100単位注入します。
わき汗を止めるボトックスの適量(単位)と料金
通常、ボトックスは使用したボトックスの種類と量で料金が決まります。ボトックスビスタとボツラックスでは、ボトックスビスタの方が価格が高く、ボツラックスのほうがリーズナブルです。使用する単位が少ないほど料金も安くなります。
わきボトックスは、このような方に向いています。
・わき汗が多くて困っている方
・汗のにおいを抑えたい方
・服の汗ジミが気になる方
・制汗剤を使っても効果がいまいちな方
・緊張するとわきに汗をかく方
・夏の間だけわき汗を止めたい方
多汗症のワキボトックスの施術の流れ
①カウンセリング
お悩みやライフスタイルを伺い、汗の程度からボトック注入が適切か見極め、ご希望によって注入量を検討します。
②マーキング、麻酔
汗の多い範囲に等間隔に注射を打ちますが、薬を打つ部位にあらかじめペンで印をつけておきます。
③注射
注射前に冷却して痛みを緩和します。片脇に15~20箇所注入していき、両脇で5~10分程度の処置になります。
④施術後のケア
ダウンタイムはなく、通常通りに生活できます。
多汗症のワキボトックス後の注意
施術当日は内出血が起こりやすく、激しい運動や飲酒などはお控えいただきます。また、注射部位を擦ったりもんだりしないようにして過ごします。
多汗症のわきボトックスのリスク、副作用
ボトックスは、薬の性質上、薬と併用することで効果が増強してしまう可能性があります。医師に処方されている薬や市販の薬を服用している場合には、医師や看護師に事前にお伝えください。
ボトックス注射は副作用の少ない施術ですが、肌に針を刺すために内出血や痛み、赤み、腫れ、しこりなどを生じることがあります。数日で自然と消失します。
多汗症のわきボトックスのよくある質問
Q自分が多汗症かどうかどうすれば分かりますか。
A.多汗症は、汗の程度によって軽症から重症に分けられ、適切な治療も異なります。多汗症かどうか、どの程度なのかはカウンセリングで判定します。生活に支障がなければ、治療の必要性はありません。汗をかきやすい夏の間だけ治療する方もおられます。
Q.ボトックスは保険適応になりますか。
A.基本的に、わきボトックスは自己負担です。重症な多汗症と診断されれば病気として治療できるため、ボトックス注射でも保険適応で受けられるかのうせいがあります。ただし、保険適用になるほど重症なケースは少なく、クリニックによっては自費治療となることがあります。ご自身が保険適応かどうかは、治療を希望するクリニックでご確認ください。
Q.わきボトックスはいつから効果がでていつまで続きますか。
A.ボトックスは注射をした直後に汗が止まるわけではありません。2~3日かけて徐々に効果があらわれてきます。効果は3~9ヶ月程度続くため、定期的に打ち続けると1年中汗を抑えられます。
Q.わきボトックス注射は痛いですか。
A.極細に専用針を用いるため痛みはそれほど気にならないはずですが、皮膚の表面に麻酔を塗ってから注射をすることもできます。
多汗症のわきボトックスのまとめ
わきボトックス注射は、手軽にわき汗を止められる人気の治療です。内服薬や手術などと比べて体へ負担が少なく、一時的な効果だからこそお試し感覚で受けられる方も少なくありません。
表参道Bjクリニック美容外科・美容皮膚科のわきボトックスは、生活改善などのアドバイスもおこなっております。ひとつひとつのお悩みにしっかりと寄り添い、ライフスタイルにフィットした汗対策で、わき汗の悩みから解放されましょう。